山崎豊子 - 沈まぬ太陽(二)アフリカ篇・下

会社の昼休みなども利用して読んだ。
強烈だったのは以下の文章(P186)
子供達がお父さんとの生活を切望する場面。

「私も、お父さんと一緒に日本へ帰りたいの」
純子も云った。子供たちに縋られ、恩地は心が乱れそうになったが、日本で孤立している組合員のことを思えば、親子の情に流されることなど、許されなかった。
「克己、純子、お前たちの気持ちはよく解った、でも、お父さんはアフリカでの仕事をすまさないと、日本へ帰れないのだ、お前たちは、お母さんと、先に日本へ帰りなさい」
恩地は、子供たちに云い聞かせたが、二人とも黙りこくっていた。

行天に聞かせてやりたい言葉だ。


そういえば明後日は運命の8月12日か。


沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下)
山崎 豊子
新潮社 (2001/11)
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