イノベーションのジレンマ

企業にとって、破壊的イノベーションを創造することは、自らを否定することを意味しているのだと思う。
どんな企業でも開発したプロダクトを世の中に送り出せば、保守もしくは持続的なバージョンアップが必要となる。
開発フェーズでは勢い少人数で実現できたとしても、桁違いの人間が必要になるのだ。
だからプロダクトを開発すればするほど社員も雪だるま式に増えていくのだ。
Yahooは十分大企業になってしまったし、Googleもしかりだ。
そして「しがらみ」がいつまでもついて回るのだ。
この「しがらみ」こそが企業をやがて衰退へと導いていくのだ。


かつてインターネットを使ったプロジェクトを経験したときの話だが、やはりこの「しがらみ」ゆえに実現は困難かと思われた。
そのときはスピンアウトするのではなく、社内に極めてベンチャー的な少人数の組織が立ち上がり、この「しがらみ」を振り切ることが出来た。
いまでは立派な稼ぎ頭の部門に育った。


しがらみの多い企業はとりわけWeb2.0への対応は困難を極めることだろう。
ましてやWeb2.0は「金が回らない」といわれているだけあってなおさらだろう。
「しがらみ」がほとんどない「はてな」がどこまで成長するか注目したい。


イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
クレイトン・クリステンセン 玉田 俊平太 伊豆原 弓
翔泳社 (2001/07)