Windows Vistaは買う必要のないOSという結論
発売が待たれているWindowsVistaについて、マイクロソフトの社員から直に説明を受ける機会があった。
説明に使用したVistaはRC1とのことで、日本初公開であることを強調していた。
社員の説明は流暢で、質問にもスムーズに答えていた。さすがは選りすぐられたマイクロソフトの社員だと実感した。
Vistaについてはかなりセキュリティが強化されているという印象を受けた。
ただセキュリティと利便性はトレードオフの関係であり、残念ながら利便性を相当に犠牲にしているな というのが率直な感想。
マイクロソフトとしては、安易に利便性を捨ててセキュリティを強固にするという方向に走っているような気がしてならなかった。
たしかにマイクロソフトにしてみれば、セキュリティの脆弱性を叩かれることはなんとしても回避したいところだろう。
セキュリティが弱いというレッテルを一度貼られてしまえば、さすがにOSに関してはほぼ独占企業とはいえ、致命的な問題に発展しかねない。
一方、現役のXPや2000がセキュリティに弱くて使い物にならないかというと決してそんなことはない。仮に脆弱点が見つかっても、随時マイクロソフトからパッチが配布される。
マイクロソフトにしてみるとこのパッチの配布自体も相当な労力がかかっているものと思われる。
いかにパッチの配布を抑えるかということも、Vistaでの命題であったと思われる。
VistaのみならずIE7もしかり。
マイクロソフトは、この利便性が大幅に犠牲になったOSを「セキュリティが強化されて安心です」という宣伝文句のもと大々的に売り出し、本質的な部分とはかけ離れたビジュアル面でアピールしつつ消費者に対して訴求していくのであろう。
ベータ2を触ってみた総合的な結論として、私はWindowsVistaを購入する理由を見いだすことはできなかった。
理由は以下の通り。
・かなり重い動作
最新のCPUと潤沢なメモリが必要
・重いグラフィックス
相当に高スペックなビデオカードが必要
・セキュリティ強化により犠牲になった利便性
その割にアンチウィルスは標準では未サポート(オプションでの提供を予定)
・高い料金
新規で買うと20000円は超すと思われる。
一方、敢えてVistaを購入する理由を考えてみると、
・最先端のOSを使ってみたい(自己満足)
・話題についていきたい
・XPがそのうちサポート切れになる
・Vistaでないと走らないアプリがある(現時点での影響は未知数)
というわけで、今後もどれだけマイクロソフトに搾取され続けるんだろうか ということを考えると憂鬱になった。
ただWeb2.0やらGoogleの動向次第では、マイクロソフトも大きく戦略を方向転換する(しつつある)可能性はあり、それに期待したい。
マイクロソフトだけが依然として幸福で、ユーザはどんどん不幸になっていくように思えるのは、果たして気のせいなのだろうか・・・