山崎豊子 - 沈まぬ太陽(五)会長室篇・下

長い小説だったが、気づいてみればあっという間に読了してしまった。
お昼休みにまで読んでしまうほど素晴らしい作品だった。
読み終わって一番の感想は寂しいという感覚だ。
作者の非常に緻密な取材があってこその作品だろう。


<以下、ネタバレなので、まだ読まれていないかたは見ないでください。>
結局、国見会長は道半ばで国民航空を去り、恩地に至っては再びナイロビ勤務を命じられるという衝撃的なラストだった。
本作品は小説ながら「小倉寛太郎」という方がモデルだったらしい。
山崎氏も慟哭しながら書いた場面もあったとのことで、改めて様々な場面が思い出された。


自分は行天と恩地を比べた場合、恩地に感情移入してしまった。
人によっては行天だ という人もいるかもしれない。


あまり関係ないが、ガンダム世代の自分にとっては、どうも行天が「シャー・アズナブル」とかぶって仕方がなかった。
かといって、恩地が「アムロ・レイ」というわけではないところが面白いのだが。


沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
山崎 豊子
新潮社 (2001/12)
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