山崎豊子 - 沈まぬ太陽(1)アフリカ編(上)

今の会社に勤めてから、特に「夏休み」というものはないが、なんとなくじっくりと『大作』を読みたくなった。候補に挙げたのは以下の通り。
宮本武蔵
三国志
ダ・ヴィンチ・コード
ブレイブ・ストーリー
ゲド戦記

読み始めたら後には引けないということで、本屋で導入部分を立ち読みしたりしてさんざんどれにしようか悩んだが、先日ホリエモン関連で話題になった「沈まぬ太陽」が脳裏をよぎり、読んでみることにした。
沈まぬ太陽」は文庫版で5冊からなる『大作』だが、3冊目の「(3)御巣鷹山編」だけ先日読んでいたので、それもきっかになった。
日航機墜落事故にスポットライトを当てた作品ということで興味をもって読んだのだが、山崎豊子氏の文体(文章)が自分にはスラスラと吸収されていき、全巻読んで見たくなった。
今1冊目の「(1)アフリカ編(上)」を読み終えたところだが、期待を裏切ることなく抜群に面白かった。

この作品に引きつけられる理由は、主人公「恩地」がどんなに酷い労働・生活環境に貶められようとも、自分の信念をひたすら貫き通すという一貫したストーリーによるところが大きいのだと思う。

主人公に何度か酷い状況を抜け出せる「甘い誘い」が訪れるのだが、断固として自分の信念を曲げようとしない。

読書中は、まるで作者が自分に対して挑戦を常に仕掛けているかのような錯覚に襲われる。




私のように最初は3冊目だけ読まれる方が多いようだが、機会があったら全巻読まれることをお薦めする。当然3冊目も読むつもりだ。
1冊読み終える度にブログをアップしていきたい。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)
山崎 豊子
新潮社 (2001/11)
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